《MUMEI》 「おいしかったでしょ。」 今日の為に寿司屋を予約しておいた。 「……働いて必ず返すから」 「いいよ、奢りで。社会人だし。」 ハナからそのつもりだった訳だし。 「お前にそういう負い目作りたくない。」 昭一郎から意外な返答だった。 「――――付け込まれたく無い? 俺がもし、迫って来たら断る自信が無い?」 俺の言葉に俯いて、そら、キスの一つでもしろという合図か? 「必ず……お前を棄てる。俺はお前みたいなのとは合わないのは知っている。」 「ふん、セフレ上等。」 欲しかった。 この後とかよりも今の方が大事だったから、昭一郎の部屋で抱かれる以外の選択はみつからなかった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |