《MUMEI》
お食事会
「……どうぞ。」

そう言うと氷室様は踞る僕の服の後ろのチャックを開き、背中を露にする。

そして、背中に何か乗せられる感覚……




「――――調度良いテーブルじゃないか。」

氷室様のお父様は僕の真横に座る。


「切り分けて下さい。」

氷室様は何かをお父様に渡した。


「 …………ッ」

背中にひんやりとしたものが当たった。
刺のような繊細な痛みだ。

多分、お父様はナイフとフォークを使い、僕の背中の上で焼き菓子を切り分けている。

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