《MUMEI》
変化
護がいなくなり、也祐・忍・俺の三人の生活が始まった。


冷たい忍が苦手な俺は、也祐にベッタリだった。


仕事の邪魔をすると忍が怒り、也祐と俺を引き離そうとするから、俺は聞き分けのいい大人しい子供になっていた。


しかし、そんな俺でもわがままを言う事があった。


それは、也祐と風呂に入る事と


也祐と一緒に眠る事だった。


『どうしてダメなんだ!? 忍の意地悪! 昔は一緒だったのに!』


俺が也祐について行こうとすると、忍が必ず止めるようになっていた。


『お前が中途半端だからだ』


『わけわかんね〜よ!』


子供じゃないからと言われるならともかく、中途半端という意味が俺にはわからなかった。


『旦那様の御命令だ』


『そんな…』


いつも優しい也祐が、その二つについて、俺を拒絶する理由が俺には全くわからなかった。


也祐は、それから、朝も昼間も優しいのに、夕食後になると、俺と距離をおくようになった。


時には、離れではなく本邸で眠るようにもなった。


(何でだよ…)


俺は、理由を聞きたかったが、也祐に嫌われたくなくて、何も言えなかった。

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