《MUMEI》
村居家の夕食
「さ〜すが、蝶子!」

「さすが、ママ!」×3


「…おだてたって、オムライス、一人一個だからね」

俊彦と同じように、子供達もオムライスが大好きで、既に私以外の皿は空になっていた。


「本当の事だも〜ん!」×4


(『だも〜ん』て…)


俊彦まで子供達と声を揃えたので、私は思わず苦笑した。


あの後すぐに咲子さんが商店街の皆に協力を依頼して、とりあえず夜集まれるメンバーからネタをもらうという事に落ち着いた。


私は、子供達と俊彦が待っているからと、すぐに帰ってきたのだ。


(どんな台本になるのかな …)


ボンヤリしていると…


「いただき!」×4


四つのスプーンが私のオムライスを狙ってきた。


勝者は…


「やっぱりママのオムライス最高!」


私の向かいにいた壱子だった。


「…いいもんね、今夜蝶子食べるから」


「…っ」


俊彦が、テーブルの下の私の太ももを撫でた。


「ママ、顔、赤い」×3

「そ、そう?」

「ママの事は、パパに任せて。

お前らは、ママに迷惑かけないように早く風呂入って寝ろ…な?」


子供達は、私を心配して、本当に俊彦の言う通り、早く寝てくれた。

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