《MUMEI》
しっかりした子供
長女・壱子は本当にしっかりしている。


私が帰ってくる前に、お風呂のお湯を入れ、洗濯物もたたんでくれていたし。


双子にも指示を出しながら、夕食の片付けまで綺麗にしてくれた。


それから、ちゃんと双子の面倒を見ながらお風呂に入って寝てくれた。


(お姉ちゃんっていっても一つしか違わないのにな…)


壱子は、私が二十四歳の時の子供で、今は四歳だった。


名前の由来は、私の亡くなった母、一子(いちこ)から付けた。


偶然にも、壱子の誕生日は六月で母の誕生日に近かったのだ。


一つ年下で、八月に三歳になった双子の信彦・康彦は、とにかく私と同じ位に、壱子の言う事もよくきく。

やこちゃんとせいこちゃんのように一卵性の双子だから、顔はそっくりだが、違いははっきりわかる。


信彦の方が、俊彦に、より、近いのだ。


足好きはもちろん、…マヨネーズ好きなところまで似ている。


対する康彦は、足好きではあるが、私と同じように薄味を好み、最近では、料理の手伝いに目覚め始めた。

さすがに包丁は使えないが、今日も楽しそうにレタスをちぎってくれた。

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