《MUMEI》 「トラベリング、トラベリング!!」 小木くんの声とともに、審判の笛が鳴る。 「…どーした、みつる??」 瀬田くんが駆け寄ってくる。 また、やってしまった… バスケのルールもよく知らない私は、今日初めて バスケでは『ボールを持って3歩以上歩いてはいけない』ことを知った。 「具合悪いのか??」 瀬田くんが、声を掛けてくれる。 「ううん、大丈夫」 答えて、大きく息を吸い込む。 小木くんが、にやにやしながら 「椎名クン、大丈夫でちゅか〜??」 と、言ってきた。 すごく腹が立って、『絶対勝ちたい』って思った。 でも、すでに27-12で、こっちのチームが負けてる。 と、 ボールが私にパスされた。 「みつる、行け!!」 …ゴール下だから、きっと入る!! シュートを打とうとしたとき、横から、どん、と大きな衝撃が来た。 いきなりのことに、バランスを失って転んでしまう。 審判の笛が鳴る。 「大丈夫か、みつる!!」 チームメイトの皆が駆け寄ってくる。 顔を上げると、小木くんのニヤニヤ笑いがあった。 前へ |次へ |
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