《MUMEI》 外への好奇心也祐と忍が、一週間の海外出張に出かけている間、俺の世話は護がすることになった。 久しぶりに会った護は、杖をついて片足を引きずっていた。 俺と会った頃から足に違和感があり、だから早めに引退して忍に也祐の執事を任せたと、護は説明してくれた。 『忍と仲良くやってるか?』 『あっちが一方的に嫌ってる』 俺の言葉に護は苦笑した。 先日も俺は忍に、淫乱だと言われた。 忍は、俺と也祐が愛し合うのをいつも見ていた。 (何が悪いんだよ…) 也祐は、俺をいつもほめてくれるし、行為に慣れてきた俺も、快感を覚え始めていた。 その事を護に話すと、護はただ無言で、また苦笑していた。 (あ〜あ、暇だな…) 也祐がいなくなった翌日には、俺は退屈を持て余していた。 それに、体が変だった。 特に、夜になるとモヤモヤしたりして、落ち着かなくなる。 そんな俺に、護は庭の散歩を勧めてくれた。 護の監視付きではあったが、初めて見る外の景色は新鮮だった。 『なぁ、護。夜になるとどうなるんだ?』 俺は、俺の瞳と同じ青空を見ながら質問した。 そして、どうしても、星が見たくなってしまったのだ。 前へ |次へ |
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