《MUMEI》

「糞ぅ!糞・糞・糞!畜生!!

…うわああああぁぁああ!!」


僕はどうしてよいのか判らず、ただ激しく狼狽するばかりだった。



「スネオさん、泣かないで!落ち着いて!」


しずかちゃんは、そんな僕を懸命になだめてくれた。



「僕はどうしたらいいんだ!?パパ〜!ママ〜!うわぁあああ!!」


「大丈夫よ!スネオさん!私がついてるわ!!」



彼女は、取り乱す僕を優しく抱きすくめてくれたんだ…。



「うわぁあああ〜ん!!」


僕はただ、彼女の柔らかな温もりに顔を埋めて、泣きわめくことしか出来なかった…。





しずかちゃんの髪から、花蜜のような香りが立ち昇っていたのを覚えている――…。

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