《MUMEI》

僕、かなり菓子のせいで滅入ってるみたいだ。


氷室様の掌は本当はあったかいとか、妄想している……。

有り得ないじゃないか、こんな僕に氷室様は一度も優しく触れてくれたことないもの。

触覚までリアルに感じ取れるなんて、●ランダースの犬の最期のようだ……。

そうか、
僕死んじゃうのかな……?


妄想の中でくらい名前で呼んでおこう……


「……千秋ひゃまぁっ…………」



体に力が入らない……。
舌が痺れている。


息苦しい……、
違う
塞がっているのか?


僕じゃない吐息で頬が膨らむ……
苦いのが口に広がる


「失礼します」

口の苦味と氷室様の幻聴で体が浮遊してく……。

僕は氷室様のあったかい腕に抱かれる妄想をしながら意識は遠くに飛んで………………

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