《MUMEI》 自分と向き合う〜栄実視点〜 海が玄関に戻ってきてドアを閉めた。 そして私に耳打ちをする。 「俺、明日学校終わったら升坂先生に会いに行くから」 私は驚き、海から離れ海と向き合う。 「教えて貰えるか分からないけど、丸井 陽奈子がどこに引っ越したのか聞きに行ってくる。 過去から進めないでいたのは俺も同じだ。 だから、丸井を探すのは俺のためでもある。 それだけ言っとこうと思って・・・じゃあまた」 そう言うと海は、玄関を後にした。 暫く呆然とした後、私は部屋に向かった。 海が陽奈子を探そうとしてたなんて知らなかった。 海も、過去から進めてなかったんだね・・・。 でも自分にしか出来ないことちゃんと見つけて行動しようとしてるんだ・・・。 私もしっかり考えなくちゃな!! 私はゆっくりと歩っちの言葉を思い出しながら、自分と向き合う。 私、受け止めれてなかったのかもしれない。 傷つけた、傷つけたってそればっかりで、自分に何ができるのかなんて考えてなかった。 陽奈子を傷つけた後、逃げてばっかりだった。 玄関でドア越しに聞いた歩っちの言葉を思い出す。 "傷付けたら、また出来ること探せばいい! 傷つけたって思ったら、ちゃんと謝って 次は笑顔にさせてあげれるよう頑張ればいい! 幸せにできるよう努力すればいい!" 届かない謝罪なら何百回もした・・・・・。 目の前に居ない陽奈子に届く謝罪をするのは無理だって諦めてた。 届く謝罪をするために、何の努力もせずに簡単に投げ出してた。 陽奈子を笑顔にさせてあげよう、幸せにしてあげようなんて考えてもなかった。 傷つけた事実に、私の前から居なくなってしまった陽奈子に、ただ打ちのめされて 私に何ができるかなんて考えてもなかった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |