《MUMEI》
さ迷う亡霊
「――――――どういうつもりですか?」

モモが苛々させている。


「モモ、そう目くじらを立てるな。」

感覚の無い人差し指で眉間を突いた。


「……千石様の真似しないで下さい。あと絶対安静なので話さないで下さい、注射しますか?」

俺が弱って優位に立てるのが嬉しくもあるようだ。


「父さんは……」


「あの人ももうそれなりのお年を召してますからね……。後で謝りに行くべきです。
学校を理由に早朝旅立つ算段だったでしょう?」

モモに読まれていた。
言われても会うつもり無いが。

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