《MUMEI》

◇◇◇

あたしがお座敷に残ったまま

ボーッとして

蜜樹君が出て来るのを待ってると──

「もう一つ、食べて行くかね?」

「ぇ」

信玄さんが

桜餅とお茶を差し出した。

「ぇ、でも‥」

「遠慮はいらないよ(笑)」

「ぁ‥ありがとうございます///」

あたしが言うと

信玄さんはニッコリ笑って

また暖簾を潜って行った。

◇◇◇

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