《MUMEI》

「やあ、明石君だよね。今の千秋のルームメイト?」

一人でご飯食べていたら向こうから話し掛けてきた……!

「はい。」

メロンパンがいつもの二割増しで口の水分を奪い尽くす。

「俺の前では敬語じゃなくていいんだよ。」

志島螢さんはいい人そうな笑顔をする。
その笑顔で氷室様と親密になったのか……!




「簡潔に言おう、千秋と関わるな。」


「――――嫌です。」


「即答か。」

ため息がもれている。


「あなた何者ですか。」

「……君みたいなものさ」

つまり、彼こそ千秋様の親友だと……。

「……ち、千秋様は 貴方だけの千秋様じゃありませんからあ……!!」

僕だって千秋様のこと思っているんだからあああ!
僕は負けたような気がして教室を飛び出した。

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