《MUMEI》
台本第二号完成
洋子さんは、二つ目の台本作成には時間をかけた。


更に、一人じゃ不安だからと、同じ高校の女子生徒にも手伝ってもらったと言っていた。


「でも、何で運動部のマネージャーに?」

《国語の成績抜群にいい上に、金賞取った作文がすごくよくて、この文章力を借りたいって思って》


(そうなんだ…)


洋子さんが絶賛する位だから、すごい子なんだろうと納得した。


《年末年始には届きますし、一月三日は私も行きますから、よろしくお願いします!》

「あ、はい」


(問題は、麗子さんなんだけどね…)


そう思いながら、私は洋子さんからの電話を切った。

そして、洋子さんの言う通り、年末年始…


元旦に、年賀状と一緒に


台本第二号


『女王様の恋』がポストに入っていた。


私は、毎年家族と実家に帰っていたから、台本を読んだのは、一月二日の夕方だった。


いつもより一日早く商店街に帰ったので、相変わらず私を溺愛している父には泣かれてしまった。


「しょーがないよね〜!」

そう言いながら、俊彦はあからさまに喜んでいた。


…実家にいる時は、ずっとお預けだったから。

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