《MUMEI》

互いのイイトコロはよーく知っている。

是清はひたすら中で突かれるのがイイみたいだ。


ベッドのスプリングが心配だ。
後ろ姿も中々絶景で、是清は歳の割りに非常に感度や体力はある方だと思う。


背中に擦り寄せて、ぴったりと抱き抱えると跳ねる鼓動や悦い鳴き声やらが直に感じられて俺の特等席だ。

今夜は気が済むまで出来るとなると、思い切り焦らしながら時間を掛けたい。




「――――背、 伸びたな…… ア」

まだ話せる余裕があるらしい。もう少し揺さ振りをかけたりしてみた。

「背?測ってないな……」

俺に合わせながら自分で高く臀を上げる。

「……ふ、
……らって、 前より、 唇の、 位置…… ン  …………アッ」

よく覚えてるな。

「……俺のこと、好きだよな……」


「 あほぉ、 好きじゃないと、こんなことしないッ……」

散々、不道徳なことしていたわりに純だ……。

「――成る程、 だから惚れたのか?」

情事の中、実に冷静な自己分析だった。

「……うぇ?!」

是清も驚いて振り向いた。


「――――俺も是清が、好きだよ?」

生まれて初めて、心から言えたかもしれない。
……後ろ向きだけれど。




「 …………ちゃ 」

さっきまでヒィヒィ言っていたのに静止動画みたいになっている。

「てか、『ちゃ』ってなんなの?」


「 ……着ボイスで配信して欲しいッ……!」

マジなのかギャグなのかこの男は……

「……生だからいいんじゃない?」

携帯じゃ有り難み無いだろう。

「 いつでも囁いてくれる訳じゃないくせに……」

よく分かっているじゃないか。
確かに、伸びたかもしれない。
キスの一つでもしてやろうとすると、以前より楽に届いている気がする……なんて舌を遊ばせながら考えていた。

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