《MUMEI》

前半20分が過ぎ、


スコアは15対11。


赤高が点負けている展開だった。


(この時間で4点差はきついな…


ふぅ…


さすがに強いな…


これで負けたら終わり。


秀皇大附属…


すげ〜強い。


終わるのが怖い…


けど、なんでかな?


それ以上に…


それ以上に楽しい。)


「へへ…」


「…何笑ってる?」


「試合開始から20分。


ずっとお前は俺に付いてる。」


「…?」


「ここまで俺の得点を0に抑えてんだ。


大したもんだぜ全く。」


「…これが秀皇だ。」


「だけどよ?」


「…?」


「…」


(俺を抑えても4点差だ。


俺が点取りにいったら…


まだわかんね〜よな?)


「な…」


自分からボールをもらいに走る翔太。


「こっちだ!!」


ユキヒロからボールをもらう翔太。


追う麻倉。


(どこまで行く気だ…)


翔太はボールを貰うと、


そのままサイド側まで走る。


サイドとの手渡しパス。


サイドが上がる。


が、すぐに翔太へパス。


麻倉の反応が一瞬遅れる。


「シュートだ!!」


翔太のサイドシュート。


「ナイッシュー!!」


古田翔太。


この試合初得点。


スコアは15対12。

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