《MUMEI》

「随分地味なプレーすね。」


「…1点取れたんだからい〜だろ。」


「あのセンター振り切れないんすか?」


「麻倉か?


…あいつの身体能力は俺より上だからな。


難しいな。」


「随分弱気すね。


流れが欲しいんすよ。」


「わかってっけどよ…」


「…俺が流れ変えてやるよ。」


(…猪狩?)


「1本行こ〜!!」


ボールは秀皇。


センター麻倉に…


「おい!!」


猪狩が付く。


(何だ?


独断か?


うちのプレースタイルわかってんのか?)


猪狩の独断により…


赤高のディフェンスも1、5ディフェンスとなる。


秀皇のプレースタイルは、


両利きである麻倉を基盤に、動き回る攻撃スタイル。


1、5ディフェンスの突破口となるスタイルの1つとも取れる。


しかし、総合的に見て身体能力で麻倉に負けている翔太に対し、


自分は麻倉に勝っている。


そう判断した猪狩は、


秀皇の勢いを止めるため、麻倉に付いた。


(俺がこいつを抑えればうちの勝ちだ…!!)





「…まずいな。」


「…先生?」

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