《MUMEI》
新年会
一月三日は、『クローバー』は本来は休みなのだが、今回は洋子さんが来るので、特別に昼間だけ営業する事にした。


咲子さんが家族旅行から帰ってくるのは夕方で、今日は私が一人で…


(大丈夫なんだけどな…)


厨房にいる私は、ホールで私からの指示をウキウキしながら待っている俊彦と、子供達を見つめた。


まだ会社も学校も始まっていないしから、店内にはお客はいなかった。


(『シューズクラブ』も今は三が日休んでるしね)


和馬の誕生日は元旦だが、和馬は琴子と結婚し、子供が一人いた。


だから、和馬の誕生日イベントは、一月四日に行うようになっていた。


昼間営業を開始して一時間。


カランカランッ


「あけましておめでとうございます」


今年最初のお客様


洋子さんと


「おめでとう、蝶子ちゃん!」


「え!?」


いつもの商店街のメンバーと


「おめでとう〜!」


「えぇ!!?」


その子供達が一斉に『クローバー』に来店した。


「台本チェックのついでに新年会もやろうと思って」

昔と変わらず集団のリーダーである瞳さんが、パニックに陥っている私に説明した。

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