《MUMEI》 「後半のスタメンはお前が選べ。」 「は!?」 「俺には猪狩を入れるべきかどうかわからん。 …お前が猪狩に入って欲しいかどうか。 それで決めたっていい。 3年生にとって最後の大会だ。 お前の好きな判断をしていい。」 「…」 (なんだよそれ… それは結局投げ出したってことじゃね〜のか? お前の好きな判断をしていい? ふざけんなよ… 俺たちにとって最後の大会… だからこそお前が指示出すべきじゃね〜のかよ…) 翔太は怒りを覚えたが、 口には出さなかった。 (いいさ… 大人が自分勝手なのは知ってる… けどな、 俺は違う… お前なんかとは違う… 俺は投げ出さね〜。 マジに… マジに勝ちたいからな。) 「猪狩。」 「はい。」 「…スタートは前半と一緒だ。」 「はい。」 猪狩の行動は自分勝手な物だったが、 『勝ち』に執着しているからの行動。 そう思った翔太は、 変わらず猪狩をスタメンに入れた。 「…」 残りのハーフタイム、 それ以上誰も何も口にしようとはしなかった。 (最悪の空気だ…) 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |