《MUMEI》

僕は理不尽な言い掛かりに言葉を詰まらせながらも、彼の機嫌を損ねないよう取り繕った。


「大丈夫です!しずかちゃんに頼んで買ってきて貰ってますから…!」



だがその回答を耳にした途端、出来杉の顔が険しくなった…。火に油だったんだ――…。



「もしかしてキミは……彼女に気でもあるのかい…?」



僕は青ざめる――…


「いいえ!そんなことはありません!ただ林檎集めに協力してくれるよう頼んでるだけです!!」


「本当か…!?」


彼は悪魔のような形相で僕を問い正す…!


「…は!……はい…!……彼女とは本当に何もありませんです……。」


神の力を持つ人間を相手に、とっさについた嘘――…


…僕は生きた心地がしなかった…。

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