《MUMEI》
ひとり 〈私〉
配達を済ませると、道場に向かった。



『空手も、休んでいいから』



椎名くんはそう言ってたけど、自分勝手な理由で休むわけにもいかない。


中からは、子供たちの元気な声が聞こえてくる。



ひとつ深呼吸すると、私は道場の扉を開けた。

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