《MUMEI》 「優勝は聖龍高校です。」 会場では、 閉会式が行われていた。 (優勝は聖龍か… 俺たちに勝った秀皇でさえ… 負けちまった… 何でかな…? あの時ああしてれば、 テレビ見ないで筋トレしてれば少しは変わったんじゃないか? 後悔がいくつも沸いてくる。) 卒業文集というものがある。 赤高の卒業文集は、 各部のキャプテンが書くことになっていた。 『一生懸命やった。』 『凄く楽しかった。』 『悔いはない。』 そんなことを書いていた各部のキャプテンたちに対し、 『後悔はたくさんある。』 そう書いていたのは、 翔太だけだった。 それを書くのは、 数ヶ月後のことになるが… 「それではベストセブンの発表です。」 各ポジションの優秀選手賞といえるベストセブンの発表が始まる。 「左サイド… 聖龍高校桜井春樹!!」 (…あのガキか。 2年にして聖龍のスタメンだからな… ま、順当だろう。) 「左45… 聖龍高校二ノ宮和也!!」 (これも順当だ。 こいつに関しては1年の頃から聖龍のスタメンだからな…) 「右45… 赤城北高校猪狩圭吾!!」 「猪狩!?」 「すげ〜猪狩さん!!」 「…当然だろ。」 (とか言いながら照れてんだろ。) 「センター… 赤城北高校古田翔太!!」 (んなバカな!? 何で俺じゃない!?) 秀皇大附属高校麻倉。 準優勝チームの彼がベストセブンに選ばれることはなかった。 古田翔太。 最後の大会で、 軌跡を残した。 前へ |次へ |
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