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《MUMEI》 帰路電車を降りると、誰もいないホームは、辺り一面薄紅色の絨毯…。 ―――――――… 時折、風に揺られ、花びらが舞い踊る……。 (変わらないな…) 降り積もった花びらの上を、そっと…足を忍ばせながら歩く…。 昔は、花びらが落ちている事があたり前だった…。 こんなに気を使いながら、歩くことはなかった…。 それは、あの頃…桜を愛でるという気持ちを知らなかったからなのか… それとも――― 今となって、この場所に立つ事への不安からなのか… そんな思いが頭をよぎる。 古びた改札をぬけ、駅を出る…。 側には、小さなタバコ屋と売店があるだけ…。 あれから11年も経つというのに、何も変わらない景色…。 駅から続く、桜の並木道。 11年前、この桜には目もくれずに、この町を出た――――――― 前へ |次へ |
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