《MUMEI》

「そう、私は七生さんに渡すものがあって……」

瞳子さんは小さな鞄から白いカードを七生に渡してくれた。




『松代瞳子、誕生祝賀会の知らせ。

日時……』

等と詳しく書かれていた。


「お誕生日会ということですか?」

俺には結婚式の招待状にも見える立派な作りのカードだ。


「七生さんと二郎さん、是非お二人でいらしてくださいね。」

優雅に笑い、運転手が開く扉から乗り込んで行った。

セレブだ、セレブリティーだよ瞳子さん……!



「じろー、コレ、なんて読むんだ?」

ずっとカードとにらめっこしてると思えばこれだものな……

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