《MUMEI》 私の死因?それはよくわからない。わかるのは状況だけ。 「俺のわがままによって死んでくれ」 ソイツの高校生になったにも関わらず、声変わりしたのかしていないのかよくわからないボーイソプラノの声が響いた瞬間、私は死んでいた。 まじありえん。ただそう思うことしかできなかった。 死んだはずの私はなぜかまだソイツの目の前にいた。 ソイツは私のよく知っている奴だった。小さい体にスリムな体型。そしてやけに気になる高い声。短いサラサラの髪と細い眉毛が更に女性らしくさせている。ソイツは私と同じ、私立神野山高校に通う『宮間 晋也』だった。 どうやら私はこの女みたいな男のわがままによって命を落としたらしい。 前へ |次へ |
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