《MUMEI》

私の死因?それはよくわからない。わかるのは状況だけ。

「俺のわがままによって死んでくれ」

ソイツの高校生になったにも関わらず、声変わりしたのかしていないのかよくわからないボーイソプラノの声が響いた瞬間、私は死んでいた。

まじありえん。ただそう思うことしかできなかった。

死んだはずの私はなぜかまだソイツの目の前にいた。

ソイツは私のよく知っている奴だった。小さい体にスリムな体型。そしてやけに気になる高い声。短いサラサラの髪と細い眉毛が更に女性らしくさせている。ソイツは私と同じ、私立神野山高校に通う『宮間 晋也』だった。

どうやら私はこの女みたいな男のわがままによって命を落としたらしい。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫