《MUMEI》
演出方法
俊彦に話しかけられ、私は漫画とアニメの心の声の演出方法について考えていたと皆に話した。


「…そうか!」


洋子さんは、何かを思いついたようだ。


そして、皆に、あらかじめ、心の声のセリフを録音し、必要な場面で流したらどうかと提案した。


今度は、全員がその提案に合意した。


「じゃあ、早速、皆さんの意見を参考に、書き直し…」


そこまで言って、洋子さんの表情が


何故か、凍った。


そして、洋子さんは何故か私を店の外に連れ出した。

「…どうしたの?」

「蝶子さん、どうしましょう…私、

私、麗子さんの本音がわかりません!せっかく面白い台本書けそうなのに!

もう少しなのに!」

「お、落ち着いて下さい」

私は洋子さんを慌ててなだめた。


「結構、わかりやすいから…」

「ダメです〜!無理です!私には!
…だから」

「だから?」

「だから、蝶子さん、書いてもらえませんか?」

「えっ…」


(私が台本を?)


「お願いします、心の声だけでいいですから!」

「で、でも。私じゃなくても」

「さっきの通訳お見事でした!わかりやすいし、蝶子さんじゃなきゃダメなんです!お願いします!」

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