《MUMEI》

「納得いかね〜よ!!


何でこいつなんだよ!?


どう考えても俺しかいね〜だろ!?」


「…そうか。


じゃあ、聞いてみるか?」


「はぁ!?」


「古田がな、言ってた。


ユキヒロがいいか、


猪狩がいいか、


全員で選んでもいい…


ってな。」


「あ…


当たり前だ!!


俺がいいに決まってる!!」


「…」


誰も何も言おうとはしなかった。


『猪狩がキャプテンだろう。』


そう思っていたのは事実。


しかし、


『猪狩にキャプテンをやってほしい。』


そう思っていた者はいなかった…












「もう…


いい…」


猪狩は、体育館を後にした。


(何でだよ…


何で俺じゃないんだよ…


俺が一番上手いのに…


赤高を最強のチームに…


そう思ってた俺は…


間違ってたのか…?


翔太さん…


何で俺を選ばなかったんですか?


…何でだよ?


おかしいだろ…


おかしいだろ…


ユキヒロ?


あんな下手くそがキャプテン?


…あんなヤツの下でやれるか!!


俺より下手くその下でできね〜よ!!





腑抜けたチームだ…


俺が目指してたのは最強のチーム。


もう…


ここでやる意味もない…


いや…


いっそのことそんなチームなら…)












『無くなったほうがいい。』

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