《MUMEI》

塁羅は湧雄からブラシを受け取り、尻尾をとかし始めた。


「なぁ俺もいいか?」


「あなたはダメ。」


「なんだよ。あとで馬の尻尾触ってくるか、どうせ同類だろ。」


「ど同類っ!」


湧雄の尻尾はびくっと動いた。


「馬の尻尾とあたしの尻尾を同類と見るなんて、なんて命知らず蓮邊綺嘉あなたは私より年下でしょ!」


「俺16歳だぜ。」


「16?それは人間として出る年齢でしょ、吸血鬼としてはいくつなのよ。」

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