《MUMEI》

「うっ…!!」


「なぁ?


いい加減にしろよ。


あのチームじゃやるだけムダなんだしよ?


我慢する必要もね〜だろ。」


「俺…


逃げたくないす…」


「あぁ?」


「うっ…」


「なぁ?


これから全員辞めることになるんだ。


今のうちに辞めとけ。」


「嫌だ!!


最後の1人になったっていい!!


絶対俺は辞めない!!」


「…」


「うっ…」


「じゃあ好きにしろ。


つまんない高校生活だったな。」











椎名は…


何も言えなかった。


猪狩にはまだ、


ハンド部に席があったからだ。


いくら内輪揉めと言っても、


暴力事件が公になってはハンド部の問題となる。


これからの活動の為にも、


先生にも親にも、


どちらにも言うことなく、


椎名はじっと…


1人で痛みに耐えた。


他の者は、


人に言う勇気がなく、


ハンド部を去っていった。


そして数週間後…













部員はとうとうユキヒロと椎名の2人だけになっていた。

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