《MUMEI》 深夜のゼリー作り「ごめんね、蝶子ちゃん、起きてる?」 「あ、…はい」 華江さんに手招きされて、私は起き上がった。 「本当に、ごめんなさい」 「いえ…」 子供達と早めに寝たから、時刻はまだ夜の十時だった。 そして、私は華江さんに言われた通り、華江さんが明日友人達に配るオレンジゼリーを作った。 「随分多いんですね」 「ママさんバレーの人達に配るから」 華江さんの言葉に私は納得した。 「それで、悪いんだけど、配るの手伝ってほしいから、明日はちょっと早起きしてくれる?」 「いいですよ」 「ありがとう。じゃあ、おやすみなさい」 「おやすみなさい」 私が部屋に帰ると、壱子が目を覚ましていた。 「ママ…」 「起こしちゃった? ごめんね」 私が抱きしめると、壱子は首を横に振った。 「明日…オシャレしてね」 「? うん、わかってるわよ」 私は明日皆といつものようにテーマパークに遊びに行く事になっていた。 「ちゃんと、早めにね」 「わかったから…寝ましょう?」 「うん、おやすみなさい」 「おやすみ」 そして、私は今度こそ朝まで眠った。 前へ |次へ |
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