《MUMEI》
知り合い?
邪魔者がいなくなり、爽快な気分でタバコに火を付けた。

「助かりました、
どうなる事かと思いました」

GSXーRのオーナーは三十四、五才位の好青年だった。

「イヤイヤ、こっちは何もしてないし
税金で飯喰ってるくせに、あの態度はおかしいやろ(笑)」

「ですよね(笑)」

「話変わって、ここ良く来るの?」

「月に2〜3回位ですかねぇ…」

「でも、結構速いよ」
「いやぁ、全然叶わなかったですよ
僕も、15年位通ってますけどね(笑)」

「えっ、ずっと走ってるん?」

「はい、VFR400とCBR400を乗り継いで走ってましたよ。
何か、最近良く来てますよねぇ?」

(15年!?もしかしたら会ったあるかも知れないなぁ…)

「あぁ、うん。
昔走ってたから懐かしくてね(笑)」

「本当ですか!?
いつ頃走ってたんですか?」

「ん〜…14年位前かなぁ…」

「えっ、!?
じゃあ、会った事あるかも知れないですねぇ…」

「そやなぁ…
多分会ってるやろなぁ(笑)」

「何、乗ってたんですか?」

「まぁ、色々乗ってたし、よく覚えてないなぁ…」

俺はとっさにごまかした。

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