《MUMEI》

◇◇◇

壁伝いに廊下を歩いて‥

土間に降りると‥

突っ掛けを履いて──

郵便受けから包みを引き抜いた。

「何だろ、これ‥‥‥‥」

郵便物なら

ハンコがなきゃ受け取れない筈だし‥‥。

「分かんないなぁ‥」

≪じーっ‥≫

謎めいたそれを

マジマジと見つめる。

紫陽花の柄の風呂敷に包まれた‥

箱みたいな物。

「中身‥‥‥何かな‥」

開けてみようか‥‥。

≪ハッ≫

ちょっと待て‥。

もし‥

危ない物だったとしたら‥(汗)

≪ザ‥ッ≫

あたしは咄嗟に

その包みから離れた。

◇◇◇

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