《MUMEI》 別に旧タマがいるならタマの居る必要は無いじゃないか。 しかし、あれは旧タマより懐いた。 最近は満面の笑みで後ろに付いてくる。 本当のペットのように…… 本当ならこの時期になると精神が滅入ったり怯えたり、ひたすら俺の横で命令を待つ奴隷になっている筈だった。 「……お前はなんなんだ?」 何故、その眼差しを送る…………それをしていたのは俺は一人しか知らない……筈だった。 手が、 勝手に動いた。 いつものように、眠りこける奴の髪を引っ張り上げるのではない。 ただ、その毛並みを確かめるように頭を撫でたのだ。 拳を開いて初めて知る感覚だ。 俺は……タマを撫でたかったのか。 ふと、眩暈がした。 弾む息遣いに 高い、広い机 白い肌 紅い…… これが、フラッシュバックなのだろうか。 前へ |次へ |
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