《MUMEI》
意外と大丈夫(俊彦視点)
「なるほど〜 可愛い系にしたのか。でも、男の生足はきつくないか?」


「祐也は特別なんです」


(特別、ねぇ…)


麗子役の女子の言葉に、俺は祐也君に近付き、足をまじまじと見つめた。


「…白いし、細いね。…?」


(まさかな…)


グイッ


俺は気になる事があり、確認の為に祐也君のハイソックスを下げてみた。


「な、なんですか?」


(おかしいな…)


「ちょっと脱いでみて」

「はぁ」


首を傾げながら、祐也君は言われた通りにハイソックスを脱いだ。


「…やっぱり、無いなあ…」


本来、高校男子にあるはずのスネ毛が、祐也君には一本も無かったのだ。


「祐也はツルツルなんです」

「女みたいですよね」

「美脚ですよね」

「まぁ、津田さんには適わないけど」


祐也君の同級生だという四人が、次々に口を開いた。

「まぁ、蝶子には適わないけどイイ線いってるよ。
これなら、出しても大丈夫」


(可哀想だけど)


「良かったわね、田中君。俊彦さんのお墨付きもらえて」


俺の言葉に洋子さんは喜んだが、祐也君は複雑な表情をしていた。

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