《MUMEI》

すると彼は、僕にこう告げたんだ――…。



*「いいか?一言も喋るなよ…。」


「はい…。」


*「喋るなと言っただろ!!?」


「!!!…。」


僕は硬直する…。



すると彼は、またもや意味不明な命令を僕に下したんだ……。



*「もうすぐ、しずか君が林檎を持ってそっちに行く…。

…お前は、彼女を連れて地下室に行くんだ……。」


「……………?」



――…さっきは地下室へは近づくなと言ったばかりじゃないか!?



僕は、コロコロと変わる出来杉の命令に、表情だけを歪ませて反発してみた…。



彼へのささやかな抵抗のつもりで――…。

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