《MUMEI》

タマが気になったのは
なにか、
では無かったのか。



「……は、ははははは…………」

口の端が疼く。
面白い。
気付けば簡単なからくりだったのだ。



タマめ、俺がお前を捕らえてからお前を毎日いたぶらなければ気が済まない。

お前は俺に従順なペットだ。

それが気に入らないのだ。




タマを撫でたのは、




愛でたかったからだ……


それはタマ(猫)に似ているというきっかけに過ぎない。






俺はあれを愛している……

出来れば、愛でて、この手で抱き絞め殺したい……

キスだってしたい、舌を絡ませ噛み切りたい……

可愛いあれをよがらせて、絶叫させて涙ながらに鳴咽するまで嬲りたい……

俺は元からでもあるが父の教育により、氷室家の意志を継いでいる。

愛すれば愛する程、傷付けたい、悶絶させたい……。



タマを、俺のにしたい。

愛しているから。



タマを捕らえたと同時に俺は捕らえられていた。


お前が俺を捕らえ続ける限り飼い続けよう。
俺が与えられる愛でもって。

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