《MUMEI》

国雄は天性のタラシだ。
誰もがこの男に魅入られるのだ。
最悪に嫌いなタイプだ。
何故なら昭一郎の心を捕らえるから。


しかし、俺と同じで相手に無頓着なとこがある。
そこが同じだと思えば好感が持てた。
昭一郎に対するものを憎しみでしか理解できない愚かな弟…………。

俺達が何故、セックスしているのを見せ付けたか分からないのだ。



昭一郎の場合は自分と世界が違うと刷り込む為。

俺の場合は国雄に気持ちが持ってかれて一欠けらくらいは呼び戻したかった為。





「……俺、綺麗?」

誘惑してしまった。
国雄とそういう関係になったら、昭一郎はどういう出方になるのか、興味ある。

あれの放つ毒も手伝ったのかもしれない、
それに……どうしても国雄にとっての『初めての男』を昭一郎にしたくなかったのだ。


国雄のセックスは強引な乱暴さがある、でも、声が良い。
デカイので無茶苦茶にされながらも優しく囁かれたら女はオチるな。

俺は、体はもうどうでもいいんだ。
国雄みたいな超エロい体より、雑な昭一郎のイク顔に嵌まってる…………。



「……レイ…………」

国雄のその名前呼ぶ顔はちょっと昭一郎ぽくてときめく……。


昭一郎が国雄の事考えながら俺を抱きながらイクのに似てる。

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