《MUMEI》

「けっこう綺麗にしてるんだね。
意外。」

部屋の中に入ると菜々が笑いながら呟いた。

「菜々がいつ来てもいいように片付けたんだ。
散らかってる部屋とかカッコ悪いだろ??」

一條がそういうと菜々が笑い声をあげた。

それから2人は一緒にテレビをみたり、ご飯を食べたりお互いの事を話したりして楽しい時間を過ごした。

いつも忙しい2人には今この時間が本当に幸せに感じた。

楽しい時間はあっという間に過ぎて菜々が帰る時間になった。

「そろそろ帰るね。
楽しかった。
ありがとね。」


「俺も楽しかった。
駅まで送って行くよ。」


「大丈夫だょ。」
駅まですぐだし。」

「でも…」

「大丈夫!
心配してくれてありがと☆」

「…。そっかぁ。
じゃぁ気をつけて帰れよ。
玄関まで送るよ。」

「うん。」

玄関に着くと陵が寂しそうにしていた。

「じゃあね。陵!またバィトでね。」

「うん。またな。」

2人はしばらく見つめ合うとどちらからともなく唇を合わせた。

長い長い2人だけの時間………

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