《MUMEI》
驚き・2
「だから再婚だって」
直人はもう一度言った。「何で?」
「だから、男二人だと色々大変だろ。それにいつまでも二人のことを引きずってられないだろ」
「そうだけど・・・」
話が突然すぎて、周哉は驚きを隠せなかった。
(でも、いい機会かもしれない)
周哉はそう思った。
実は周哉も、直人が前よりも酒の量が多くなっているのが、二人が死んだことに関係していると気付いていたので、再婚して心を癒やして欲しいと思っていたのである。だから、
「いいんじゃないの」
と賛成した。
その反応に直人は少し驚いた。
「もっと反対すると思ってたよ」
「それよりも、新しいお母さんの写真とか無いの?」
「ああ、あるぞ」
と直人は写真を取り出した。
「名前は弥生さんだ。実は向こうもバツイチで娘さんがいるらしい」
「娘さんの写真は無いの?」
「それは無いんだ。でも年は言ってたぞ。たしか周哉と同じだ」
「同い年か」
「よし、周哉からもOKもらったから二人に会いに行こう」
急に直人が言い出した。
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