《MUMEI》 「…なんでかなめがむせるのよ。 ―…で、何で瀬田なの??」 青木が続ける。 「…そんなの、好きになっちゃったんだからしょうがないじゃん。 見るとドキドキするし、目が合うと心臓が止まりそうになるし… ―…近くにいるだけで死にそうになるの!!」 「…そんなに好きなんだあ」 「そうだよ。いっつもバカばっかりやってるけど、瀬田はカッコいいんだからね?? …バイトしてる時とか、超カッコいいの!!」 「そうなの??…ってかうちのガッコ、バイト禁止じゃん」 「いーの!!前、バイク屋でバイトしてんの見た時、きゅーんってなったの!!」 「恋は盲目ってやつね…」 青木と金原のやり取りを聞いて、おれは唖然とするしかなかった。 金原、瀬田のこと好きだったんだな… でも、それより気になったのは、 金原の言葉だった。 『見るとドキドキするし、目が合うと心臓が止まりそうになるし… ―…近くにいるだけで死にそうになるの!!』 見事に全部当てはまった。 ―…蓬田といるときのおれに、だ。 …好きってことがそういうことなら、 おれは、蓬田のことが好きってことに… ―…おれが? 蓬田を―…?? いや、ないないないない!! そもそも、蓬田には好きなやつがいるんだし。 ―…おれが好きになってどーする。 …なんかの、間違いだって。 前へ |次へ |
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