《MUMEI》
「―――――ッ…」
「――――――」
きっつく抱きしめてくる慣れた感触、慣れた匂い。
「―――こあかっ…ぁ……、こわ……」
「俺のせいや…、もうこんな目に二度とあわせん、」
「俺、貢から、離れたく…、ない…」
「絶対に離さん、何があったって…」
唇が深く重なってくる。
恐怖を払拭するかの様に俺からも必死に貢を求めた。
漸く落ち着き、ふと扉の前を見ると、膝を抱えながら静かになく日高がいて…、
俺と目線が合うなり俺に駆け寄り抱きついてきた。
「ごめんな〜!佐伯ぃ!ごめん、ごめんよ〜!」
「いーから、だって日高のせいじゃないし」
「ごめん……」
ふと貢を見ると柔らかく微笑まれた。
……うん、
「日高、貢の事呼んでくれたんだろ?
有り難うな…」
「ひっぐ…、あう、
佐伯〜、佐伯〜」
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
ケータイ小説サイト!
(C)無銘文庫