《MUMEI》

僕もすぐ後を追って、声の正体を確かめると――…


「うわ!…なんでキミがここに…!」



そこに横たわっていたのは、全身をロープでグルグル巻きにされ、痣だらけの顔から血を滲ませている、小さな女の子だった…。



「…うぅ……ぅ…」



うめき声の主は、ジャイ子だったんだ――…。



―――…いったい、どうなってるんだ…?


僕は、暫し呆然と立ちすくむことしかできなかった…。



でも、そんな僕の傍らでは――…



…しずかちゃんが怒りに震えた顔で、僕をキッと睨みつけていたんだ…。



この時の僕は、まだその冷たい視線に気付かなかったのさ――…。

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