《MUMEI》

携帯幾らかいじった後、俺に差し出してきた貢。そこにはド金髪な兄ちゃんが二人、単車の前でメンチきってる。
「誰?」
「俺」
「…」
「次押して」
言われるがまま次を押すと……まあ、はい、わかりました。

芸能人で昔はこんなんでしたが今は爽やかなイメージで売りまくってます!みたいな。
変な柄シャツにクタクタなジーンズ。
髪型、今時ありか?みたいな……
次々押して全部出終えると俺から貢は携帯を取りあげた。
「…ひいた?」
「ん〜、ひかないけど…びっくりした」
「うん……、そうだろうね」
俺から離れ冷蔵庫からビールとコーラ持って来た。
ビールを黙って受け取ると、貢はコーラを飲みだした。

「一緒に写ってる奴、今、蔵…、――
鑑別所に入っててさ」
「ぶっ!…!!か、か、かん??」
含んだビール無様に吐きだした。
しかし貢は何でもなさげにティッシュでそれらを拭き取りだす。
「スッゴい親友ての?小さい頃からずっと一緒でさ…、俺コイツの為なら死ねる、そん位大事な奴…」
「―――――」

「だったのかな?今はコイツの為には死ねない、俺は聖ちゃんの事一番に守るから…
傍にいるって決めたから…」
「―――貢…」
軽く唇を合わせられて、短いキスを首筋にも落とされる。
切なくて胸にしがみつくと背中を優しく撫でられだした。

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