《MUMEI》

小さい頃は

ウチ‥

ホンマに恐がりで──

よく夜中に目ぇ覚ましては

独りで泣いとった‥。

『‥っ‥ひっく‥』

≪コン、コン≫

『お嬢様っ、どうされました?』

『‥っ‥‥‥怖い夢見てもうてん‥』

『扉を‥開けて下さいますか?』

『‥っ‥うん‥‥』

ウチは扉を開けて──

2人を部屋に入れた。

白兎と黒兎は──

ウチをベッドに寝かせて‥

それから──

白兎がこう言うた。

『大丈夫ですよ、僕達が付いてますから(微笑)』

『‥っ‥ホンマ‥?(涙)』

『俺達は嘘は付かない』

『ほな‥‥ウチが寝るまで‥いてくれるん‥?』

『はい、お嬢様がお望みなら(微笑)』

『おーきに‥(笑)』

ウチは──

2人に甘えてばっかやった。

そんなウチを──

2人はホンマに

お節介な位に‥

ようお世話してくれた。

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