《MUMEI》
憂鬱な二日目(俊彦視点)
いくら待っても待っても待っても待っても…(エンドレス)


蝶子から連絡は来なかった。


寝不足の俺は、初日よりも更にイライラしていた。


何しろ今日は、丸一日蝶子に会えないのだ。


一日…二十四時間…


その上、帰るのは明日の夕方…蝶子に会えるのは、夜…





長い


長すぎる。


自分でも大人気ないと少し思いつつも、俺の怒りの矛先は…


「だから! 何で出来ないんだよ!」

「す、すすすすみませぇ〜ん!!」


いつまでも微妙に笑顔が引きつる柊に向かっていた。

「お疲れさまです」

「…ど〜も」


(ヤバい、俺、マジで余裕無い…)


俺はついに、休憩時間に話しかけてきた洋子さんにまで冷たい態度をとってしまった。


柊は、祐也君とアイスを買いに行っていた。


俺は、思った。


(頼むから、俺が大っ嫌いな●ーゲンダッツだけは買って来るなよ)


俺が大好きなのは、高校生がよく食べる安い●リガリ君だった。


(そりゃ、一番うまいのは蝶子の…今なら、オレンジゼリーとかだけどさ…)


その時。


「「ただいま戻りました〜!」」


やけに気合いの入った二人の声を聞いた。

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