《MUMEI》
見学
昼食の片付けを終えた私は、体育館で演劇部の練習を見物する事にした。


(高山君、大丈夫かなぁ…)

俊彦は同性には容赦ないから、私は心配だった。


「ほら、柊君。そこは違うだろう」

「はい」


(あれ?結構普通…)


私は、安心しながらも、やっぱり少し心配で二人の近くにいた。


高山君は、『シューズクラブ』での俊彦の動きに戸惑っていた。


「仕方ないな。蝶子、協力して?見本見せたいから」
「…どうするの?」


首を傾げる私を、俊彦は持ってきたパイプ椅子に座らせた。


「じっとしててね」

「なっ…」

「劇の成功の為だから」

「…っ…」


そう言って、俊彦は私の足を撫で始めた。


その上…


チュッ


!!


私の足の甲に軽くキスをした。


「ね、ねぇ!これ、フリ、で、いいんだよね?」


私は高山君に確認した。


「そうだよ。でも、つい…しちゃった。ごめんね。

もう一回いい?

今度はフリにするから」

「え?」


(ちょっ…)


そして、俊彦はもう一度、…


じっくり触る所からやり直した。


…三回目は、さすがに疑問を感じたし


洋子さんが止めてくれた。

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