《MUMEI》

地獄に射し込んでいた一筋の光が、再び闇に覆われようとしていた――…。




「…う…ぅ…ぉ兄…ちゃん……」


セラーの隅には瀕死のジャイ子ちゃんが横たわっている…。



「なんでキミが此所に居るんだよぉ……?」


僕は暫くの間、ジャイ子を介抱することもなく……むしろ、その存在を恨めしく思いながら眺めていたんだ…。




――…そんな時……。


――…ヴーン!…ヴーン!…。


僕の慟哭に追い討ちをかけるように、一本の電話がかかってきたのさ……。

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