《MUMEI》
ピンチ〜
「早く援護〜〜〜」
「ったくお前らが話なんかしてるからこんなに数集まったんだろうが・・」
次々と矢を放ちながらつぶやく。道が狭いため前の敵が壁となり奥の敵には矢が届かない。
「え〜っと・・」
そうつぶやき、ようやく何を放つのか決めたのか詠唱を始めるボンカー。
「くそ・・・数多すぎだろ!!」
なんとか防いでいるが狩月はじりじりと後退していく。
「風よ!その鋭き刃をもって敵を斬れ!ウインドエッジ!!」
ボンカーの放ったスキルによって2匹のマミーが消滅。だがモンスターはまだ残っている。
「っと邪魔すんな!狩月!矢当たるぞ」
「うるせ〜!こっちだって精一杯なんだよ!」
軽口を叩きながらも二人はモンスターに対し攻撃を仕掛けていく。
うむむ・・黙り込むボンカー。次にどのスキルを放つか悩んでいるようだ。
「道が狭いなら・・これで!!」
一気に弓を引き絞り魔力を込めてゆく琴。
「しばらく時間稼げ!一発で蹴りをつける!」
そう言うと詠唱を始める。
「ほんとに決めれるんだろうな!!」
前に突撃し敵を引きつけ時間を稼ごうとする狩月。息も切れている。こちらから攻撃はせずにひたすら回避と防御だけを続ける。しかしまともな防御スキルを持っていない状況では耐え切れるはずも無く・・ガッ!盾でゴブリンの攻撃を防いだがそのまま盾が弾き飛ばされていく。
「く・・」
一気に窮地に立たされる狩月。そこへ緊張感の欠片も無い声が聞こえた。
「狩月!お待たせ〜。強き風よ!敵を押しのけ吹き飛ばせ!ウインドバック!!」
ボンカーから突如強い風が吹き荒れモンスターを奥へと吹き飛ばすが、何匹かは耐えその場に留まる。
「助かった〜。ナイスボンカー。琴!まだかよ!」
そう叫びながら暴風の影響でまだひるんでいるゴブリンへと斬りかかる
ひるんでいたゴブリンが狩月へと襲い掛かるが・・
「遅い!!はっ!」
上段から一気に斬り落とす。ゴブリンを倒し、その余韻を味わう間もなく横っ飛びする狩月。
さっきまでいた場所にマミーの腕が鞭のようにしなり襲い掛かる。微かに掠ったらしく狩月は膝をつく。
「くっそ・・・こいつら」
ぜいぜいと肩で息をしながら毒づくがモンスターは待ってはくれない。
ボンカーのスキルにより奥へと吹き飛ばされたモンスター達も合流し始める。
「紅の炎よ!敵をなぎ払え!ファイア!」
今にも襲い掛かろうとしていたゾンビをボンカーが焼き払うがゾンビはまだ倒しきれていない。
「まだか〜琴。もうヤバイぞ?」
「なんでそこで疑問符がつくんだよ!!間違いなくピンチだろうが!!」
マミーの攻撃が掠った部分から出血があるがそれすら無視してつい突っ込む狩月。

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