《MUMEI》

*「もうじき、ジャイアンとドラミがそっちへ行く…。

…キミには、これからある重要な役を演じてもらう…。」



「…………?」


また訳の判らない命令に翻弄されるのか?…と落胆する僕に、彼は珍しくこんなことを告げたんだ…。



*「上手く演じきれば、キミの両親を返してやるし、しずかくんの誤解も解いてあげるよ…。」



「ぇ?…………。」


僕は思わず発してしまった声を手で塞いだ…!



これまで“鞭”を振りかざすことしかしなかった出来杉が、初めて“飴”をチラつかせたんだ…。

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