《MUMEI》

それは真っ暗な地獄の底まで突き落とされた僕にとって、天界から垂らされた蜘蛛の糸のような条件だった。




*「いいか?…まず、武器になる物を用意しろ…。」



僕は『武器?』と問い返そうとして言葉をつぐんだ。



*「…そうだなぁ……確かキミの家には、日本刀があったよな?…アレがいい……ククク…。」



僕は云われた通り、1階にある座敷の床の間に飾られていた、先祖伝来の“名刀・正宗”を持ち出した…。




するとその時――…!


――…ドンドンドン……!


「開けろー!スネオ!!」



出来杉の予告通り、玄関のドアを叩くジャイアンの怒号が聴こえてきたんだ…!

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